2018年度 卒業生のこれから③

日本体育大学 トライアンファントライオン
第60期

森谷 和樹Kazuki MORIYA #6
体育学部 体育学科 競技スポーツ領域 4年生 清水国際高校出身

〈受け入れるということ〉
<Playerとしての成長>
森谷が2年生の時、当時同じポジションの先輩が怪我したこともあり、試合への出場機会を得た。その上級生が自分と同じ視点で細かな指導をしてくれた。その様子を見て、自分を必要としてくれていることが分かった。森谷自身もその期待に応えようと必死だった。
「今振り返ると、一番プレーヤーとして成長した時期だった。」
レギュラーメンバーとして、秋のリーグ戦に出場して活躍する。やるべきことは明確だった。
リーグ戦が始まる前に、その上級生が復帰した。だが森谷は、自分の方が良いプレーができる、チームに貢献できる、ということをアピールするので必死になっていた。しかしその先輩も自分を受け入れてくれて、さらに細かな指導をしてくれた。この上級生がいてくれたおかげで、森谷はのびのびとプレーすることができた。自分が選手として成長するのを感じた。

<リーダーとしての苦悩>
3年生のシーズンが終わり、次年度のチーム体制を考えるとき、チームの総意でディフェンスリーダーに推薦された。だが森谷には葛藤があった。
「3年生になってからは常にレギュラーメンバーとして試合に出場するようになり、自分が活躍できればいいという考えだった。生活態度や練習態度は見本になる存在ではないことは自覚していた。だからリーダーにはふさわしくはないと思っていた。」
しかし森谷は、入部時のことを思い出していた。強い日体大でプレーしたいという思いを持ってここに来た。これを断ったら男じゃないと思い直し、引き受けることにした。自分がチームを強くしようと。
当初は森谷が思い描いていたリーダー像は、自身が1年生の時の4年生主将、伊田(2016年3月卒)のようにプレーで、背中で引っ張るものだった。しかし森谷の怪我がそうはさせなかった。秋のリーグ戦2戦目で負傷し、最終戦までフィールドに立つことはできなかった。

<自分にできることは何なのか>
怪我を受け入れることができなかった。プレーすることでしか存在価値を示すことができなかった自分から、プレーを奪われた。自分の居場所を失った。実家に帰り、グランドとの距離を置いた。それでも母校の高校のグランドに足は向き、フットボールが自分から離れられない存在であることに気づく。そして自問自答する。なぜ日体大でフットボールをしようと思ったのか?
「高校時代の恩師の母校でもある日体大で、自分も高いレベルでプレーしたい。」
初心を思い出す。そして考える。
「今の自分にできることは何なのか」「リーダーとして自分にできることは何なのか」
ふと自分が2年生の時を思い出す。あの時、先輩たちが自分を受け入れてくれたから、自分は気兼ねなくプレーできた。今度はその環境を俺が作ればいい。
ミーティングでは下級生が発言しやすい場を作り、後輩に意見を求めた。自分が与えてもらった環境を、今度は自分が用意する立場になった。大きな変化はなかったかもしれないが、自分にできることはどんどん取り組んだ。
森谷が4年生の秋季リーグ戦。ディフェンスの支柱である森谷抜きで戦うことになる。しかし、後輩たちは伸び伸びプレーし、自身をフィールドで十分に表現していた。後輩の活躍が嬉しい半面、嫉妬した。自分はもうこのチームに必要ないのではないか、と。

<視点の変化>
「フットボールは個人競技ではない。自分がプレーできなくても、補い合い、支え合い、チームとして勝てば良い。普段の人間関係がフィールドに出る。仲間のミスを責めるのではなく、フォローする。誰かのために頑張ろうと思うこと。そういう面白さが団体スポーツの、そしてフットボールの楽しさだと思っている。」
リーダーになって気づいたことで、森谷の視野が広がった。
高校時代は毎日同じフィールドで同じ仲間と練習をしていた。しかし日体大に入学してからは、それよりも広い「人との関わり」が生まれた。合同練習や練習試合、交流戦で他大学や社会人とのネットワークが広がった。そこを通した新たな価値観との出会いから、自身の考え方の変化、他者を受け入れること、そして自分をどう表現するか、その術を体得していく。

「この4年間で、つらいこともあったが、そのおかげで人間として成長ができた。辛いことも受け入れられ、その中でも試行錯誤して前に進み、結果にはつながらなかったが自分ができることはやった。」
チームにとっては望ましくはない入替戦に、自身の大学最後となる出場機会を得た。困難を乗り越えたリーダーは、いつにも増して仲間の信頼を得て輝いていた。覚悟を感じた。卒業後は、社会人チームでプレーすると決めている。
「フットボールのおかげで今の自分がある。フットボールのおかげで自分自身が成長できた。もっとこの競技に恩返しをしたい。この競技がもっと知られて、もっとプレーする人が増えるために、自分にできることをしていきたい。」
この言葉が、彼の4年間の成長を物語っている。

森谷の視座が「自分」から「チーム」へ、そして「社会」へと上がって行く。いつかここに戻りフットボールの普及活動を一緒に行える日を、楽しみに待っている。

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